96年 「PCの会」 活動記録



 9月21日(土) 第1回 「PCの会」




第1回 「PCの会」のご案内

 

午後7時〜9時  神明中学校


 日本のインターネットを中心とした情報教育の遅れは、神明中学校に限ったことではなく、 日本の「公立学校」一般に共通しています。進んだ私立学校との遅れは著しいものがあります。
 たとえば、玉川学園などは、学校からの保護者への全通知の電子メール化を進めており、保護者を 対象としたパソコン実習まで実施し、小学生は「キッズネット」と呼ぶパソコン通信ネットワーク で全国、世界の学校と交流を進めています。
 また、国際的にみても、アメリカはともかく、マレーシアやシンガポールにも甚だしく遅れた日本の 公立学校の現状は、子供たちが世界で進展する国際化や情報化に取り残されていくことを意味しています。 この現状の解決には、神明中学校のみの努力だけでは限界があります。

 公立学校と同様、日本の地方自治体の情報化の遅れも著しく、杉並区はようやく地域情報か懇談会を 発足させたばかりです。学校教育現場の情報化、情報教育に関して行政の動きを待っているわけには いきません。
 また、公立学校はおしなべて電話回線が2本に限定されており、情報化に関して陸の孤島と化しています。 学校の情報化は、子供たちの教育面、そして学校運営の面でも火急の課題であると思います。

 もう1つ、忘れてならないのが学校の地域社会への貢献です。阪神淡路大震災では全学校が避難所となり、 多くの被災者が押し寄せましたが、学校の情報化の遅れが救急活動の最大のネックでした。
 平均76年周期必ず襲ってきた関東地方の直下型の大型地震は、すでに危険期に入っています。なかでも 住宅密集地である杉並区は、災害被害予測図(ハザードマップ)でも、最も大きな被害がでるとされる 「赤」で塗りつぶされています。
 兵庫県の貝原知事が口癖のように「東京はこんなにのんびりしていていいのか、東京は標語どころでは なくなるのに」という言葉を重く受け止めねばなりません。東京の支社は6〜7万人におよぶという予測 が、最近、アメリカの災害専門家から出されています。

 こういう現状を鑑み、私たちは神明中学校の情報化を地域社会の情報化とつなげ、防災という社会的な課題を、 学校の情報化、子供たちの情報教育と結び付けて充実していきたいと考えています。
 この会の名称に「神明中学校」の名を入れなかったのは、今後、高井戸第4小学校、桃井第2小学校、 荻窪小学校、地域の町会などとも緊密な一体化をはかっていきたいからでもあります。

 こういった情報化と災害対策についての知識と技術を子供たちとともに深めていくことは、目標を失いがちの 今野子供たちに社会への窓を開けてやることにもなるでしょう。子供たちには、社会的な役割と使命が 課せられることになります。
 また、共通の社会的な目標に保護者と子供と教師が一体となって向うことは、家族や学校が抱える諸問題の 最上の解決法にもなるでしょう。また、公立学校ならではの地域との連携をより深めていくことも、 これからの学校のあり方として望ましいと思います。

 「PCの会」の準備ミーティングでは、こういった今後の活動のありようについて、さらに保護者の 皆さんとの議論を深めていくべきだという点でいけんが一致しました。そこで、その第1回の会合を、


「9月21日(土)午後7時〜9時・神明中学校」


で開催いたします。お父さん方にも多数参加をしていただくため、こういう時間を設定しました。
今回は、保護者と教師のみの会合としますが、ゆくゆくは地域の方たち、そして子供たちとも合同の会 としたいと願っています。

 当日は、「PCの会]の呼びかけ人の1人で、デジタル技術や災害対策に詳しい山根一眞(3年生男子 父親・ノンフィクション作家)が、パソコンと液晶ビジョンを用いた「デジタル化社会と防災」に 関するプレゼンテーションを行ないます。実際にインターネットに接続しますので、わかりやすい インターネット入門も行ないます。
 また、全国の学校現場でのユニークなパソコン教育を取材し、朝日新聞から単行本を出版したジャーナリスト ・坂本伸之氏によるスピーチもあります。その後、皆さんとの議論を行ない、今後の定期的な活動指針を 作りたいと考えています。

 これまで、こういった保護者有志による学校を中心とした地域情報化活動は例がないため、神明中学校を 「公立学校の情報化と防災システム作り」のモデルケースとするべく、杉並区や所轄官庁などへの理解と 協力も求めていくつもりです。
 この会を、皆様自身の「情報化」の機会にもしていただきたいと思います。皆様の参加を心より、切に お待ちしています。

お父さんたちは、燃えています。


 96年 「PCの会」活動記録 



96年活動記録目次